業務でドメイン移管とサーバの切り替えを行うときの作業やスケジュールの諸注意TIPS
たまにサーバごと引っ越しの案件を受けるときがある。
が、自分のように実際のドメイン移管の作業を代理人を介して行う場合、なかなか思うようにドメイン移管とサーバ切り替えのスケジュールが進まない。
スピードが求められるWeb制作(草)で、自分で全てをやるにしても、作業を分担して行うにしても、おおよそどの手続きにどれくらいの時間がかかるか、ってところを少し書いておきたかったので、今回、記事に起こしておくことにした。
今回はコードの掲載などはない、おおよその自分の体感・・・主観が主となるが、一応、ドメイン移管やサーバの接続の切り替えを行う案件のスケジュール的な参考と諸注意になればいいと思う。
実際にドメイン移管からサーバの接続の切り替えを行う場合、どのレンタルサーバでも、以下のような手順を踏むことになる。
- 移管後サーバの契約
- 移管元のサーバから移管後のサーバへのメールユーザの移行
- 移管元のサーバから移管後のサーバへ現在のWebサイトデータの移行
- 移管元の解約申請、大抵の場合併せて行うドメインの移管手続き。
- ドメインの認証コードの入手、または、ドメインのレジストラロックの解除(4.と併せて行う事が多い)
- 実際のドメインの移管
- ドメイン移管後に移管先サーバへのサーバの接続の切り替え
- サーバ切り替え後の確認(Webサーバ、メールサーバ)
ざっくり・・・と言ってもおおよそ行う作業は端的に書いたつもり。
2.~7.は作業的な考え方で終わると思いきや、意外と面倒くさいことがある。
2.移管元のサーバから移管後のサーバへのメールユーザの移行
個人的に何度やっても慣れない作業がこれ。
今あるメールユーザを移行するだけだから楽じゃんwwwとか実際に作業をすると言えなくなる。
移管後のサーバは恐らく自分が熟知してあるサーバであるから兎も角として、移管元のサーバがレンタルサーバとかホスティングサービスだと、メールユーザの登録方式はそれぞれ異なるため、見逃しが発生しやすい。
ユーザから別のユーザないしメールアドレスへの転送設定などが入っていると目も当てられない。
数が多いと大本の依頼主に今使っているメールアドレスを全部列挙して貰う必要があるが、飽くまで使う側(=依頼主)の裁量でその列挙が出てくる。
数が多くなれば多くなるほど依頼主が列挙してくるメールアドレスのリストは信用できないものになるので、絶対に信用しないように。転送先を雑多に書いてくる手合いもいる。俺は一度それで大きな失敗をした。
メールユーザベースではなく、必ず移管元のサーバ側に登録されているメールアドレスを全て登録しておけば、まず間違いは無いはずなので、基本はそれをベースに登録するのが無難だと思う。
スケジュール的には移管の作業日の当日に間に合えばいい。
3.移管元のサーバから移管後のサーバへ現在のWebサイトデータの移行
大本の依頼主が純粋なHTMLデータや、使用方法の確立されたCMSを入れている場合は、必要なドキュメントデータやテーブルデータを移管元のサーバから下ろして、移管後のサーバに突っ込むことでおおよそ済む。
が、問題は独自で作っているCGI。
CGIはパーミッション設定がつきものなので、CGIのスクリプト以下のディレクトリに移管元のサーバと全て同じパーミッションを設定する必要がある。ひとつでも間違っていたりすると動かない場合が多い。
CGIの類がある場合は、逐一元のサーバを確認しておくのが吉。まぁどうせ数週間後にはリニューアルするから最悪、古いファイルはとりあえず755で設定して置くという割り切り方もあるけど。
これも、スケジュール的には移管の作業日の当日に間に合えばいい。
4.移管元の解約申請、大抵の場合併せて行うドメインの移管手続き
5.ドメインの認証コードの入手、または、ドメインのレジストラロックの解除
新サーバを借りてから行い、新サーバへのドメイン移管をに申請する前に必ず進めて置く必要がある作業。
サーバごと切り替えるときは、当然だけど移管元のサーバは最終的には解約することになるため、その際にドメインをどうするかの設問があるはず。
これは新サーバを借りた上でそこをドメインの移管先に指定しておけばオッケー。
(ドメインだけを移管元のサーバで管理したり、そもそもサーバとドメインをそれぞれ別々の新しい移管先・接続先で管理する場合は例外だけど)
ちなみに、よくある勘違いだが、ドメイン移管と、移管元のサーバから移管先にサーバを切り替える作業は完全に別作業である。
これも、スケジュール的には移管の作業日の当日に間に合えばいい。
レジストラロック解除の場合は、ロック解除されている間、ドメインは第三者の登録もフリーな状態になるのでドメイン移管の作業を早急に進める必要があるが。
6.実際のドメインの移管
残念ながら4.と5.が行われていないとここには進めないので注意。
そして、移管当日に認証コードを手に入れるないし、レジストラロックを解除したとしても、その日にはまず間違いなく、ドメイン移管そのものの完了はしない。
申請自体は受け付けられるものの、実際にドメイン移管そのものが完了するのは特急でも4~5日はかかる。
とはいえ、いろんなサーバ会社さんも告知している通り、一週間くらいは見込んだほうがいい。
スケジュール的に、ドメイン移管の手続きを進めたその日にサーバの切り替えも・・・なんて自分本位の突貫スケジュールは絶対に組まないように。
仮に組んでもそれはそれはまず間違いなく実現しないだろう。
天の道を行く人でもない限り、世界は自分を中心に回っているわけではない。物事は常に順序だっているのだ。(ニヤリ)
7.ドメイン移管後に移管先サーバへのサーバの接続の切り替え
最後の作業。ここまでくれば後はドメインの接続先を新サーバに切り替えるだけ。
移管先のサーバ会社によっては、ボタンひとつでぽちっとで変えられたり、ネームサーバとDNSレコードを直接いじらなければならない場合もある。
単純なWebサイトならDNSレコードのMXレコード以外は新サーバにしておけば大丈夫・・・だと思う。このへんはケースバイケース。
MXレコードはドメインと同一を参照するように設定されている場合が多いので、これは移管元のサーバに合わせておけば恐らく問題はないはず。(MXレコードにも直接IPが指定されている場合は除く)
スケジュール的にはドメイン移管後の1週間後くらいが目安だろうか。(なんにしてもドメイン移管が終わった後の作業だし)
サイトそのものは早ければ2、3時間後くらいには切り替わる。
ただ、これはサイトを見る人の使っているプロバイダのネームサーバの更新速度に依存するので、自分のところで切り替え後のサイトが見られたとしても、他の人が別のプロバイダを使っていた場合、そこも切り替わっているとは限らない。
メールに関しては、それよりも切り替わりが遅く、最短でも12~13時間後、遅い場合は週間単位や月単位でかかったりする。
新旧どちらのメールサーバにメールが入ってくるかはメールの送り主のサーバやホスティングに完全に依存するため、他のサイトさんやサーバ会社さんに書かれている1ヶ月の平行運用期間というのはそのためだろう。
それでも対応するという話ならば、大中小零細と星の数ほど存在するネームサーバに、ネームサーバの設置されたあらゆる国の言語を駆使して申請を行うことになるだろうが、間違いなく現実的ではないだろう。
それを対応している間に1ヶ月なんて短い期間は、申請が1万分の1も終わっていない内にすぐ過ぎ去ってしまうことだろう。
こんなところだろうか。
これらを守ってやっておけば、ドメイン移管とサーバの接続の切り替えを行った後でも自ずと問題はあまり起きないはず・・・。
一通り終わった後は、最低でもサイトが前と同じように表示できるかどうか(≠動くかどうか)くらいは必ず確認すること。
・・・まぁ注意したからと言っても、予測できないことが起こったりするもんだけどね(´・ω・`)
なんにしても言えることは、イケイケドンドンで自分のスケジュールと思惑で物事を進めようと思っても、ことドメイン移管とサーバ切り替えについては、絶対に自分のスケジュールと思惑では進まない。
まぁそれがやりたいならホスティングサービスを立ち上げるべき。
やっぱりめんどうくさい。