コーダーの休日の過ごし方、敦賀の立石岬から小浜・若狭をツーリング
バイクを乗り始めてから近畿は大概の所まわったけど、まだ行けていないエトセトラな道はないかと思い、GWの次の土曜はそのへんを日帰り前提で走ってみることにした。
日帰りかつそれなりの遠乗りしようと思うと、大体が国道沿いから始まって国道沿いに終わると言う「とりあえずただ走ってるだけ」でマンネリ化していたので、どうせなら少し冒険してみようと普段は絶対に行かない方向へ向けてバイクを走らせた。
はい。まずは立石岬を目指しました。
(敦賀=原発みたいなイメージあるのに、間近でみたことがないのもどうかと思って。。)
てなわけで、どどんとまず一枚目の画像。
12日の土曜。快晴も快晴。そして、夏日とも呼べるほどとにかく暑い。
GWも過ぎたころ(個人的にGW連休からの次の土日ってGWの延長線じゃないかと思っているけど)なので、ここに来るまでの道の混み具合は渋滞などもあまりなく割とスムーズ。
丁度上記の画像は、立石岬に入って、先ず最初にここだ!と思ったロケーション。
先客として釣り客が何人か来ていたが、偶然にもそのうちで自分と同じ市内から来ている人が居たので少しだけ話した。
道すがら気軽に話せるのはソロツーリングの魅力。車で一人でドライブしてもこうは行かないだろう。
立石岬は東西を北上しても一周ぐるりとは回れず、Hの字のように道が通っており、岬を横断して東西を行き来しようとすると、Hの字の中棒の部分を通り抜けなければならない。
本来なら自分は原発を少し見てからその先には進まずに、立石岬の先端部分に行く予定もなかったのだが、件の釣り客の人に是非先端の方まで行ったほうが良いという言葉をいただき予定変更。
そして潮風を感じて陽の光を浴びて、うだるような暑さをこらえながら、バイクに跨って岬の先端を目指した。
斯くして岬の先端部分へ。
画像だと分かりづらいが、高波防止の為の身の丈よりも遥かにでかい堤防が日本海の姿を遮っている。
つーか、クマ出没注意だとさ。
クマいるのかよ。
この先に何があるのかと思い足を進めた。
広がったのは美しい日本海と、あぜ道と岩礁。
あぜ道は相当狭く、草もモサモサと茂っており、あえなく岩礁を歩くことにした。
岩礁の移動中に、振り返ってパシャリ。
非常に歩きにくく、実際は石から石へと飛び移る感じで移動した。
でも草むらに行って毒虫に刺されてもだえるよりは遥かにマシである。
しばらく歩きを進め、行けそうなところまでいこうとするものの・・・。
遠い。遠いよぉ!
距離にして50mもないのだろうけど、流石に岩礁を歩くのは相当に体力がいる。
この時点で革ジャンを脱いで半袖になっていたのだが、とにかく暑い。汗ダラダラ。
そして汗の匂いを嗅ぎつけたのか、リアルザビーゼクター(スズメバチ)さんがスタンディンバーイ!
いつの時代もどんな場所でもハチさんとクマさんは切っても切れない関係にあるのだろう。
流石にツーリング初っ端から刺されてそのまま病院へ搬送はご免なので引き返す。
うん、十分頑張った!
オブジェクトがないのも寂しいので、海神様?お道祖様?を映す。なむなむ。
堤防まで戻ってくると初老のライダーさんが居た。
言葉を少し交わした後、お互いの道中の安全を祈り、別れを告げて立石岬の先端を跡にする。
・・・そうして道を戻って、今度は敦賀原発の正面玄関へ。道を挟んでバイクを付けた。
いやはや間近で見てみると凄いものがあるなぁ!
気になる画像はというと、
大人の事情で撮影できませんでした(´・ω・`)
というのも、警備員さんがいて厳重な警戒体制。そして、撮影禁止の標識。
やっぱりこういうところって撮影できないのね。残念。
少しだけ意気消沈してそのままバイクをまた走らせた。
走りながらふと海の方を見てみると、まるでジュブナイルでティーンドリームな風景が広がっている。
一昔前のなんとかゲーの舞台になりそうな、そんな風景。
金髪ポニーテールの幸薄そうな子が「が、がお」とか「もうゴールしてもいいよね」とか言いそうだ。パシャリ。
かのフレーズのように、消える飛行機雲を追いかけるとそのまま単車のチキンレースになりそうなので勘弁だけど、きれいな海と山、そして町。
っていうか、全体的にここらへんの海は全くと言っていいほど淀んでいないような気がする。
やはり、原発付近だから人があまり寄らないのだろうか?
かのチェルノブイリも事故後に人が離れたせいか、今は野生動物の楽園となっているらしいし、人の生み出した原子力というものは、「正」か「負」かで言えば間違いなく「負」ではあるけど、ヒト以外の、こと自然においては必ずしもそうと言い切れるものではないのかもしれない。
まぁ、敦賀で事故があったら俺の住んでいる付近もまず間違いなくアウトなんだけどね。
・・・やっぱり負そのものじゃねーか!
それはさておいて、ここから予定通り、Hの字の中棒の道を通って岬を横断。
横断した先には水晶浜があり夏場は海水浴客で賑わう。こちらの岬の先は小浜原発や高速増殖炉もんじゅの施設がある。
折角立石岬も先端まで行ったし、こちらのほうも進めるところまで進んで見ようとバイクを(交通ルールの範疇で)飛ばす。
進みに進んで岬の先には、白木海水浴場。
施設を遠目に海をパシャリ。
レジャーの人がちらほら。
彼らは永遠に広がるかのような蒼穹の空と群青の海を目にして、ここでどんなことを思い、何を見ているのだろうか。
広がる空と海は何の汚れもなく、澄み切っている。
まるで全てを吸い込むかのように、何を気にすることなく、自由で、いい意味で空っぽだ。
俺の腹も・・・あぁ・・・
腹が・・・減った。(例のスリーポイントのカメラ引き)
ついでに、催したので水晶浜の方へ戻る。
だが、生憎とシーズンを外しているのか、店はどこも空いていなかった。
現実はゴローさんのようにスタイリッシュにはいかない。そんな俺クソコーダー。
公衆トイレで用を足した後、ぐる減りの腹をなでつつ、パシャリ。
心なしか潮風に漂い、磯の香がしてきた。
腹が減れば、そんな幻嗅もするのだろうか。
ふと目をやると、
何か打ち上げられて死んでいる。
磯の香だと思ったら「これ」。ただの海産物の腐臭だった。
意識をすると悪臭が更に鮮明になり、空腹なのに食欲が急速↓↓↓
流石に「これ」は食えそうにない・・・。
何も言うまいとその場を離れた。
せめて、コンビニでもないものだろうか、とバイクを駆りながら探してみた。
海空はやはりどこまでも美しく目は膨れるが、腹は膨れない。
花より団子とはよくいったものである。
そして、探した果てに・・・
スーパーっぽいものがあった!
なんでもいい。食えるものを・・・と急いで中に。
ありがたいことにポット完備。カップ麺もある。ってなわけで・・・
まさに渡りに船とはこのことだ!
食い慣れたカップヌードルさえも海辺ですすれば立派な海鮮ヌードルである。
空腹も相まって実に美味だった。ごちそうさま。
すがはま生協に感謝感激雨あられ。
腹ごしらえも終わったところで、またもバイクを走らせる。
よーし、このまま海沿い行って小浜市街までぬけちゃうぞー!
どこだよ、ここ。
上記の歩を進めた先。
いや、マジでどこだこれ。
答え:海沿いのどこか。
・・・・いや、答えじゃないし。
確かに海沿いなんだけど・・・どう感じても漂う生活道路の匂い。
更に、そこに一見して誰の目にも農作業中だろうとわかるおじさんが歩いてくる。
ちなみに画像の写っていない左側の方は集落がある。
「海沿いの集落」って何か妄想そそられない?そそられないかな??かな???
このずっと先は三方五湖があるらしい。
シーサイドからレイクサイドってのも洒落たものだと思い、バイクを更に走らせる。
レイクサイドなんて湖国住みなら見飽きてるんじゃ・・・とかはなしで。
三方五湖への道の途中、ふと気になる建物。
やーい!おまえんち!おっばけや~しきぃ~!
いや、これすごくね?
俺の家の付近にも廃屋あるけど、ここまで蔦と木が建物を覆うように茂ってはいない。
画像は廃屋っていうか廃墟だけど。
そして、右側の木、これ建物の中から生えているんだよね。
見た感じ、元は宿泊施設のようだ。木はさしあたり、中に置いてあった観葉植物かなんかが突き破って出てきているのか?
ちなみに、この先にも宿泊施設の廃墟はいくつもあった。
画像のこれほどではないにしろ、この地域の栄衰を物語っていた。
バブル期におけるリゾート開発の遺産なのだろう。
三方五湖の前に、漁港(こちらは海)をパシャリ。
この間、車で石川県まで友人とドライブしたけど、そのときに見た漁港と比べて、相当こじんまりした感じ。
地元の漁港、そんな雰囲気。
そして、三方五湖の一部。
藻が・・・藻の色が・・・・・。
夏場の琵琶湖の南側も丁度こんな感じだが、ちょっとこれは・・・うーん。
別のロケーションより。
空の色を反射して青く見えるが、実際はやっぱり藻の色。(iPhoneってすげー!)
やはりレイクサイドは琵琶湖南側にしても三方五湖にしてもこうなんだろう。
明らかに別荘であることを感じさせるような民家や、「ドラマの撮影地となりました!」とかの幟を見かけたりで、まぁなんやかんやでレイクサイドを楽しんだ。
さぁ、再びシーサイドへ復帰しようとぐるぐる適当に回って元の道へ・・・元の道へ復帰しようとしたその時に気付いた。
おい、ちょっと待て。
これあかんパターンや。
自分で言うのもアレだが、俺はかなりの方向音痴である。
どれだけ酷いかというと、昔、京都へ行こうと車を走らせて何故か岐阜に入ってしまったとかそういうレベル。
今でこそ多少マシになってはいるが、迷うときは迷いまくる。
同じ道を通っていることに気付くのが三回目になってようやく、といったことも未だザラ。
もし、某樹海に足を運んで散策しようものなら、それこそその場で骨を埋める覚悟をしなければならないだろう。
まぁ右往左往しつつで、似た道の続く三方五湖の呪縛から逃れ、開けた山道へ。
無論、この山道でも迷う迷う。
いつの間にか国道→山道→同じ国道と先の見えないループ文が回されていた。
そして、ループにハマって1時間強の後・・・。
ぬ、抜けたぁ~!
そして、見下ろす先は 絶 景 !
このロケーションは反則だわ・・・。
潮風漂う海沿いの道も良いけど、高いところから海を見下ろせるロケーションというのもとてもよろしい。
特にバイクだとハイウェイ感があってとても美しいでおじゃる。ついでに、シーナの尻は最高でおじゃる。
この先、少しずつ海沿いの道へと下っていく道が長く続いており、ダラダラと街乗りのように走らせると絶対に気持ちが良い。飛ばして走り抜ければ愉快爽快。
自分は後者を選び、しばらくハイウェイ感を味わいながら、次第に低くなる海を楽しんだ。
で、この時点で時刻は15時半を過ぎたところだった。
三方五湖と山道で翻弄されたのがたたって、予定よりも大分遅めな時間。
ただ、ここまで来たら海道も佳境に差し掛かる。
残りは小浜市街へと行ったら、ひたすら滋賀への直帰である。
ハイウェイ感を余韻を残して、完全に下った先。
更に海。見飽きたかも知れないけど海。
バイクと言ったら海だろう。海と言ったらバイクだろう。
これまでの景色に後ろ髪を惹かれる思いで更に漁港。
赤いバイクが口びるよせて、だまってみている青い海。
さながら、海から恋人の帰りを待っている女性のような後ろ姿。
こうしてみるとバイクって、ほんとにオンナノコだよなぁ~。
ま た が っ て る の は ク ソ コ ー ダ ー の お っ さ ん だ け ど ^^
さらば、海よ・・・。
ここからはさして面白い風景もないけど、特筆するべきこと。
やっぱり小浜市街で迷った。
「人生とは遠い道のり、時には迷うこともある」といい言葉。
でもいくらなんでも迷いすぎ。
この言葉を思いついた人もここまで(物理的に)迷う人間は見たことはないだろうと断言できる。
「時には振り返ることも重要だ。」
振り返って、来た道を戻ったら、更に迷うこと請け合い。
どうあがいても絶望しかねえよ!!
ともかく市街を抜ければ、若狭の道、そして、滋賀の高島へ戻れる。
敦賀へ向かうだろうと思われる車輌に期待を託して、金魚のフンのように付いていった。
かくして、それは大正解で、おかげで見知った若狭道へ乗ることができた。背中を見るべきはやはりジモティ。まぁ俺はアウェイだけど。
ところで、小浜・若狭・高島間では必ず俺は寄るところがある。それが道の駅「若狭熊川宿」。
小浜・若狭・高島間の大道はバイクの免許を取ってから幾度となく走った俺のホームロード。(さっきまで迷っていたことは既に忘れた。細かいことは気にしない。)
その中で必ずと行っていいほど寄るのがここ。バイクの休憩にはちょうどいい。
ここまで来ると、もはやアウェイ感はない。
もう何も怖くない!!
・・・いけないフラグを立てるのはよそう。
まぁ、暗くなるまでには、せめて琵琶湖の姿は目に映したいものだ。
若狭→高島→マキノへ一気に抜けて、見知ったセブンイレブンの駐車場。
これまでとは打って変わって何の面白みもない画像。
だが、俺はこのセブンイレブンの駐車場で「あ~戻ってきちゃったなぁ」と安堵と溜めの混ざった息をひとつ。
あとは、おうちかえぅ!のみ!
そして、俺はマザーレイクへと帰った。
濃い顔のニーサンがお菓子の名前の星に「私は帰ってきたぁぁぁ!!」と高らかに叫んでバズーカぶっ放す気持ちがよく分かる。
しかし、こうしてみるとつくづく琵琶湖の風景も捨てたものではない。
三方五湖の藻色の湖と比べて、やっぱり琵琶湖北側の水って澄んでるんだよな。
石が透けて見えるのがおわかりだろうか。
まとめとして、総走行距離おおよそ300~350km。
休憩30分毎、プラス、いいロケーション停車で時間にして9時~18時程度の間を走り抜けた。
日帰りソロツーとしては、最近では最高の充実度。
某秋口ワインもびっくりの凡庸な表現。
記事のシメなのにこんなので良いのか俺。
まぁ、バイクを乗り始めた頃に、車ではいけなかった色んな場所を巡ったりして、そのたびに充実感を得たものだが・・・。
巡り廻ってしまうとそれも激減してしまうもの。マンネリ化を打ち破るにはいい旅だった。何にしてもそれが事実。
自分みたいにインドアーな事やっている人は、ぜひともバイクに乗って駆け巡って欲しい。
けど、人の倍苦しんで走るから倍苦(バイク)。ツーリングは計画的に。